エリザベス女王杯-秋華賞組-
レース考察
内回りの秋華賞、外回りのエリザベス女王杯。
直線の短い前者は前残りが多く、直線が長い後者の方が差し馬が台頭しそうだが、実際はそうでもない。
ペースが違うからだ。
年 | 前5F-後5F | 上がり3F | 前後半ラップ差 |
---|---|---|---|
2018 | 59.6-58.9 | 35.2 | -0.7 |
2017 | 59.1-61.1 | 37.0 | 2.0 |
2016 | 59.9-58.7 | 34.4 | -1.2 |
2015 | 57.4-59.5 | 35.3 | 2.1 |
2014 | 58.0-59.0 | 35.3 | 1.0 |
2013 | 58.9-59.7 | 35.5 | 0.8 |
2012 | 62.2-58.2 | 35.2 | -4.0 |
2011 | 58.3-59.9 | 35.8 | 1.6 |
2010 | 58.5-59.9 | 34.6 | 1.4 |
2009 | 58.0-60.2 | 35.2 | 2.2 |
見てわかるように、スローだった2012年以外、前半5F60秒切っており、ほとんどの年で後半が1秒以上落ちている前傾ラップ。
対してエリザベス女王杯。
年 | 前5F-後5F | 上がり3F | 前後半ラップ差 |
---|---|---|---|
2018 | 61.4-59.2 | 34.7 | -2.2 |
2017 | 62.0-59.5 | 34.4 | -2.5 |
2016 | 61.8-58.5 | 34.1 | -3.3 |
2015 | 60.7-61.4 | 36.3 | 0.7 |
2014 | 60.3-59.2 | 34.1 | -1.1 |
2013 | 62.7-60.4 | 34.5 | -2.3 |
2012 | 62.4-61.0 | 36.4 | -1.4 |
2011 | 57.5-61.7 | 37.1 | 4.2 |
2010 | 60.1-60.3 | 36.3 | 0.2 |
2009 | 60.5-60.9 | 36.8 | 0.4 |
こちらは逆にハイペースだった2011年以外、前半5F60秒以上かかっている。ほとんどの年で後半が1秒以上早い後傾ラップ。
200m違うだけでレースの質がこれだけ変わる。
秋華賞は3冠の最後、直線が短いことから前々への意識を生み、エリザベス女王杯は直線の長さがゆったりとしたペースを生むのだろうか。
2005年、個人的に大好きなスイープトウショウが秋華賞を前半5F59.9の流れを4角16番手から豪快に差し切っているが、次走エリザベス女王杯では61.0の流れを4角15番手で5着に敗れている。
最近では、2017年ディアドラが前半59.1(重馬場だったからかなり早いペースだろう)の流れを後方から差し切ったが、次走エリザベス女王杯では62.0の流れになり、12着。リスグラシューも2着→8着だった。
以上を踏まえ、今年の秋華賞。
年 | 前5F-後5F | 上がり3F | 前後半ラップ差 |
---|---|---|---|
2019 | 58.3-61.6 | 36.4 | 3.3 |
例年通りの前傾ラップだが、前後半ラップ差が3.3と秋華賞史上最大。エリザベス女王杯が同じようなペースになるとは考えづらい。
上位入線したクロノジェネシス、シャドウディーヴァ共に差してのもの。
クロノジェネシスに関しては、ある程度前目につけられるし、スローの流れだった阪神JFや桜花賞でも馬券には絡めている。またエリザベス女王杯はスローにはなりやすいが3F戦にはなりにくく、スローを意識してか仕掛けが早く4F戦になりやすいことから、大崩れすることはないかもしれない。
が、同世代間のG1で負けている以上、スローの流れが得意とは思えないし、前走の消耗戦でのレースが楽々の勝利だったから尚更。
過去10年秋華賞→エリザベス女王杯を連続連対したのは
2014年ヌーヴォレコルト2着→2着
2013年メイショウマンボ1着→1着
2012年ヴィルシーナ2着→2着
2011年アヴァンチュラ1着→2着
2014年、2013年は秋華賞の前後半ラップ差が比較的小さい。
2012年は秋華賞史上最も前半5Fが遅く、エリザベス女王杯も同じような流れになった。
2011年は逆にエリザベス女王杯史上、前半5Fが最も早い57.5で秋華賞と同じく前傾ラップになった。
それより前に遡ると、2007年ダイワスカーレット、2003年アドマイヤグルーヴ、スティルインラブ、2002年ファインモーション、2001年ローズバドがいるが、いずれも秋華賞を逃げ先行で勝った馬か、エリザベス女王杯が57、58秒台になっているのだ。
これらを考慮すると、クロノジェネシスを連で買う選択はあまりしたくない。
極端なペースでの好走馬は疑え、である。
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